家を建てる時には
大きな儀式が2つある。
一つは先日行った「地鎮祭」
そしてもう一つが「上棟式」
今回はそんな上棟式について。
目次
上棟式
上棟式(じょうとうしき)は
建前(たてまえ)とも呼ばれ
木造建築で棟を上げ、建方が終わったことを意味する。
元来、上棟以降の工事の安全や完成後の建物の無事を祈願するものだった。
棟上げ
棟上げとは、柱・棟・梁などの骨組みが完成した状態。
本来はここまで無事に工事が進んだことへの
感謝と、完成を祈願する儀式だった。
最近ではそういう儀式的な側面は薄れ
施主が職人や工事関係者の労をねぎらう意味合いが強くなっているようだ。
上棟式の流れ
①棟梁が棟木(むなぎ)に御幣や幣束(へいそく)と言った
魔除けの札を立て、破魔矢(はまや)を飾る。
②建物の四方に酒・塩・米をまいて安全祈願を行う。
祭壇を用意して果物や野菜・海鮮物などを飾ることもある。
③施主の挨拶
乾杯後、感謝の気持ちと、今後の工事の安全を祈る挨拶をする。
④棟梁挨拶。
棟梁や工事関係者から挨拶があることもある。
⑤ご祝儀を渡す
施主から皆に渡す。
⑥直会
直会とは宴会のこと。
うちの場合はこんな感じで
工務店が祭壇を用意してくれた。
挨拶の例
③の工事関係者への挨拶は、
ここまでの工事への感謝の気持ちを伝えることと
今後の工事の安全を祈願する言葉を述べる。
形式ばらず、自分の言葉で話したほうが伝わりやすいであろう。
(例)
こんにちは。施主の○○です。
日頃はお世話になっております。
無事に今日という日を迎えらえれたこと
本当に感謝いたします。
家族の夢の詰まったマイホームの完成を
一同楽しみにしております。
引き続き、安全第一で進めて頂けると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
費用
儀式の準備品
お清めのお酒や塩、お供え物など。
こだわらなければ数千円で済むでしょう。
ご祝儀
棟梁は一番高く5千円~3万円。
現場監督・設計士が5千円~1万円。
その他職人や業者は大体5千円。
これらは、地域や施工会社によっても多少違いがある。
私の時の場合は
上棟式後に宴会をやらない代わりに
業者に昼食用のお弁当を仕出しで用意したのと
ご祝儀と一緒にお赤飯と缶ビール2本、お菓子などを渡した。
これもまた
工務店が手渡しやすいように
1人分ずつ袋に小分けして用意してくれた。
それからもう一つ。
通常、近くで家を建てる時は
時々顔を出して工事の状況を確認したり
職人さんにお茶を出したりできる。
しかし、遠方で頻繁に行けなかったり
なかなか顔を出せない状況の場合
前もってお茶代を少し渡しておくと良い。
私の場合も遠方なので頻繁に訪れることが出来ない。
愛知県にお店を建てた時は毎日のように顔を出し
10時と3時にはお茶出しが出来た。
今回は無理なので
お茶代と記して2万円ほど
ご祝儀と一緒に棟梁に渡した。
これも必ずしなければいけないことではない。
お茶を出してもらえるから
どうと言うことはないかもしれない。
しかし、生前の父は職人で
やはり、お茶を出してもらえると
内容にかかわらず気持ちが嬉しい。
と言っていた。
やはり気持ちの問題なので
長い付き合い。
良好に進められるように
少しの心遣いはできるといい。
本音と建前
「本音と建前」という言葉がある。
何かしらに対する人の感情と態度との違いを示す言葉。
これは今回の建前が語源になったという説がある。
以前にもご紹介したが
こんなこぼれ話。
昔、有名な棟梁がいた。
その棟梁が建前の前日、玄関の柱を短く切ってしまい、
収まらなくなった。
棟梁は、自分の未熟さに死を決意した。
それを見た奥さんが、
自分の命同様大切な旦那様の為に考えたのが
マスを使って短い柱を補修する方法。
翌朝目覚めた棟梁は、
奥さんの差し出した枡を受け取ると
柱の足りない分を補って事なきを得た。
ところが、自分のミスが表に出るのを恐れた棟梁は、
口封じのために奥さんを殺してしまった。
棟梁は、自分の犯した罪を悔い、
弔うと心に誓い女の七つ道具
(口紅、鏡、櫛、かんざし、おしろい、こうがい、かつら)を棟の上に飾って供養した。
と言いうのが、建前の儀式となったそうだ。
「タテマエ」にこだわるあまり
妻を殺してしまった男の見栄や意地に
「ホンネ」で応じた女の悲話が
「本音と建前」の語源となった。
思いのすれ違い。
ちょっとした歯車のずれが
引き起こした切ない悲劇。
こんな説があったとは、
建前をする時に知っていたら
少し心持が変わっていたかもと思う。
おわりに
今回上棟式は
朝から15時くらいまでに棟上げを終え
その後行われた。
数日前に、工務店の社長から
挨拶をしてもらいますね。
と言われていたので
私の頭はそのことばかり。
当日、職人さんが10数人いる中での挨拶は
とても緊張してあまり覚えていない。
しかし、この日職人さんたちと
初めてしっかりと顔を合わせることができ
自分が意を決して
伊豆高原へ移住し
夢の詰まった
家とお店を建てることを
自分の口から伝えられたことは
本当に良かったと思う。
職人さんと顔を合わせるということは
お互いを知ることで
気持ちの入り方も多少は変わると思う。
そして棟が立ち上がり
立体になってきた自分の家を見て
顔がほころんだ。
しきたりってよく分からない。
こんな本を読んでなんとなくでも
知っておくと役立つだろう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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