今週のお題「自慢の一着」
毎日当たり前のように
袖を通していた
お店の仕事着
この一ヶ月
静かにこの時を待っていた
そして明日
久しぶりに袖を通す
新しい気持ちと共に・・・。
目次
特別な日
迎える特別な日は
誰かにとっては
何でもない一日でも
誰かにとっては
忘れられない一日
きっと毎日が
特別な日
4月15日より
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い
営業自粛、休業していた
伊豆高原の珈琲屋美豆
再開を迎え
今思うこと
休業
今までも
新規開店前や
移住前など
1年近く準備期間の為
お休みしている時期はあった。
だから
この1か月は
大したことない
といえるのかもしれない
しかし
そうではなかった
今やっているお店は
私にとって3店目。
つまり
今までに2回
お店を閉める
という日を迎えてきた。
その度に
とても感慨深く
それは特別な思いを抱いた日だった。
しかし
今回
休業に入る日
抱いた思いは
それとはまた別で
きっと忘れられないものとなる
そんな気持ちだった。
自分の意に反し
強制的に断たれる
それがこんなにも
もどかしく、悔しいものなのか
命を懸ける想いで
新しい地、新しい環境の中
はじめた珈琲屋美豆
とにかく1年
そんな思いで必死で走ってきた
その日を目前にし
閉ざされた道
やるせない思いは
言葉にならない感情と共に
とめどなく流れ落ちる涙となった
きっと忘れない
絶対忘れない
二度と味わいたくないこの気持ち
そしてそれは
負けず嫌いの私の闘争心に火をつけた
こんなことに屈しない
どんなことがあったって
這い上がってやる
営業再開
5月21日
営業再開を迎え
この1か月の休業期間を終える
クローゼットにかかった
仕事着は
この日を待ち構えたかのように
なんだか新鮮で
エネルギーが満ちていた
自分は
お店とプライベートを
きっちりと分けている
お店に立つときは
びずとして
気持ちを引き締める
おろしていた髪を結い
気合を入れて
仕事着に袖を通し
リセットする
この1か月
色んな思いを抱え
過ごしてきた
この日を迎える為に
心と体を整えながら
それでもやはり
たくさんの不安や期待
喜びや緊張
何とも言えない心模様は
きっと味わったことのない
何とも言いようのない
感情
そんな気持ちを胸に
それでも笑顔で
びずとして
ただ前を向くのみ
さあ、始まるよ!
新しい愛しき日々が。
当たり前
今まで当たり前だったこと
街に出れば光が溢れ
動き続ける世間
それがこの1か月
まるで時がとまったかのように
静かに、
そしてさみしげに見えた。
こんな風景は
初めてだった
そして
これで最後であってほしい
あることが当たり前ではない
慣れてしまうと
忘れてしまう
当たり前のことへの
感謝の気持ち
毎日同じように過ごせる日々が
こんなにも愛おしく
そして貴重なことだったということ
思い知ったことは
これからの人生において
とても価値のあるもの
そして忘れてはいけないもの
袖を通したいあの服
このテーマを目にして
すぐに思った
私にとって
日常である
仕事着に袖を通すということ
きっと世の中の多くの人は
制服や仕事着を着ている時間が
とても長いと思う
それって
日常の中では
嫌だな、
憂鬱だなって思うことも多かった
しかし
それさえも出来ない状況になった時
あ~、働けるって
こんなにもありがたいことなんだ
毎日
元気に仕事をして
たまの休日に羽を伸ばす
それが
何より素敵なことで
人が生きていく上で
大切な営み
きっと毎日
何もしないで遊んでばかりいたら
人生の色はどんどん褪せていくんだろうな
そう思うと
日々、働くこと
仕事だけではなく
家事や育児、介護など
生きていく上で必要な営みを
こなしていくことは
とても大切なこと
そう感じた
おわりに
私はこの時点で
営業再開に踏み出すことが出来た
しかし
まだまだ先が見えず
動き出せない状況に置かれている人も
たくさんいる
そう考えると
今、与えられたこの機会に感謝し
精一杯できることをやっていかなければと
改めて身の引き締まる思いになった
動き出すことへの不安はあるが
できる人からできることをしていく
そうすることが
世の中を動かし
少しでも早く日常を取り戻すための
大切な1歩になるだろうことを信じて
自分の為だけではなく
大切な人たちの為に
人として
人の為に
できることを
できる限り
全力で
それが今自分に出来ること。
#自慢の一着
に袖を通し、さあ、踏み出そう!
最後までお読みいただきありがとうございました。